自店の強みと弱みを知り、強化していくためのABC分析

効率よく売れ筋商品をアピールし、それぞれの商品の無駄を減らす在庫を管理するためには、まず、商品ごとの売上状況を把握することが必須です。

abc-deripro

(例)デリPRO(http://www.delipro.jp/)ABC分析画面より

商品や顧客ごとの特徴を知り、分類し、分析を行うなら、営業のエネルギーを効率よく配分することができます。

ABC分析とは

販売戦略で使われる方法の一つが、ABC分析です。
前回の記事で触れた「パレートの法則ー2:8の法則」が考え方の原則(およそ全商品の20%の商品だけで80%の売上を占める)となっています。
例えば、価格設定を変更する際は、それぞれの商品毎の売上傾向を分析して「値下げしてもよい商品」と「値上げしてもよい商品」を明確に決定する必要があります。「全商品20%OFF」などの季節毎の在庫一掃セール以外での画一的な価格変更は、逆効果にもなりかねません。
ABC分析を行うことによって、賢い戦略を行うことができます。

Aランク
【売上構成比70%】重要商品、売上に貢献し大きく左右する


▼ 商品の場合
品質や納期及び支払いに与える影響が大きいため、納期遅れや品質不良などを絶対に出さないよう重点管理をおこなう。購買の発注は定期発注方式が適している。
積極的な拡販策をとる一方で、その商品の市場性がいつまで続くかを常に注意し、市場性にかげりが見られる場合は早急に次の主力製品を育てる必要がある。
▼ 顧客の場合
より親密な信頼関係を築くためのアプローチ(販促活動)と、さらなる取引拡大のための「新提案」にチャレンジ。

Bランク
【売上構成比90%】今後育成、強化していく


▼ 商品の場合
購入金額全体の中の80%から90%を占める購入品群でAグループよりは、ゆるい管理。購買の発注は定量発注方式が適している。
Aランク商品として育てる価値と可能性を吟味し、販促策を検討。
▼ 顧客の場合
Aランクに引き上げるべき顧客があるかを調べ、アプローチ(販促活動)。

Cランク
【売上構成比100%】あまり力を入れない


▼ 商品の場合
A、Bグループ以外の購入品群で、発注手続きについてはあまり手間がかからないような簡易発注方式(またはダブルビン方式)などを採用。
Cランクは、育てるべき商品と撤退・成り行きに任せる商品に分類した上で、それぞれに対応し、見切りすべきものかそうでないかを検討。
▼ 顧客の場合
「眠れる優良顧客」がいないかを調べ、拡販テーマとして設定。

ABC分析を活用する

ABCでグループを分けランク付けしたのち、上記ABCそれぞれの特性を生かした施策を行います。

  • ランク別に施策にメリハリをつけ、営業資源を効率よく活用。
  • 顧客のランク別構成を、「安定性」と「営業効率」の2面から評価し効果的な顧客構造を追及。

構成比累計曲線の「立ち上がりが急で、Aランクを構成する顧客数が少ない場合」は、万一その顧客を敵に取られてしまうと、その被害は甚大。
これに対して、構成比累計曲線の「立ち上がりが直線に近く、Aランクを構成する顧客数があまりに多い場合」は、営業の際に注力する対象が絞りにくく、効率が悪くなる。

以上の点を考慮し、バランスのよい顧客構造を実現するべく、重点顧客の抽出・育成・安定化を推進する。

分析

値上げ商品を決める際に活用する

ABC分析は値上げの際にも役立つ。商品の値上げは顧客側に大きな心理的ダメージを与えるために、値上げする商品は最小限に抑えることが商売の鉄則である。その場合にはAグループの中でも特に売れ筋商品に限定した値上げをおこなえば、値上げした商品数は少なくても利益的には大きな改善効果が得られることになる。値上げ商品のアイテム数が少なければ、顧客側は「仕方ないか」と納得してくれる傾向が強い。

逆に、売れ筋商品のみの価格を据え置き、B、Cグループの商品を値上げすることは顧客に良いイメージを与えない。全商品の約8割のアイテムが値上げされたとなれば顧客側の反発感はかなりのものだが、その割に利益改善効果は低い。

これは小売業に限らず飲食店のメニューやサービス業などで活用されている価格設定ノウハウである。現場の商売人達は「ABC分析」という言葉は知らなくても「商売の勘どころ」として実践している知識だ。特売チラシひとつ読んでみても、そこには奥深い商売のノウハウがたくさん盛り込まれていることに気付けば、しめたものだ。

ABC分析にあたって頭の隅にいれておきたいこと

ABC分析は一定の期間で対象を重要度によって分類するものですので、以下の点を注意する必要があります。

  • 対象間の関連性は考慮されていない
  • 定期的な分析が欠かせない

【関連性の対策】
例えば、店舗を構える小売業で商品と売上でABC分析を行い、Cランクの商品cを「死に筋商品」として認識したとしよう。もし、この商品cはAランクの商品aと強く結びついた場合、商品cがなくなると商品aの売上が鈍るかもしれない。これは商品の関連性が考慮されてないために起こることである。よって、ABC分析を行い、何か対策を講じる場合は対象間の関連性も考察した上で決定したほうが良い。
対象の中に一過性のものがないかを探ることも重要だ。一過性の対象が含まれているにも関わらず、他と同様に分析すると結果を見誤る可能性がある。もしくは、一過性の対象を一過性に止めない方策を考えることも重要かもしない。

現状を把握するだけではなく、ターゲット商品、ターゲット顧客を絞り、効果的な今後の対策を取れるのがABC分析の良いところです。
季節や新商品等、商品や顧客には変化がつきものなので、有効活用するためにはABC分析を通しての、定期的な見直しと確認が求められます。

以下のサイトを参考にさせていただきました:
経営戦略に使えるABC分析の基礎知識と活用法 trifields.jp
売上に結びつく販売分析 sppinc
ABC分析を活用した値上げ・値下げの賢い方法 jnews
ABC分析(ABC管理) sk-koubai.com

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